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第九十四話 魔導剣士ロイ、特訓を施す

last update تاريخ النشر: 2026-11-05 17:47:46

「レジスタンスの頭目をやっている。ガイウス王国第一王女、メルセデスだ。世話になる」

 王女様!

 慌てて跪ひざまずく我々。

「いや、気軽に接してくれ。今は亡国の王女。ガイウスを取り戻すまでは、ただのメルセデスだ。メーチェとでも呼んでくれ」

「しかしそんな、畏れ多い……」

「国を取り戻すまでは、ただの同志でありたいのだ。タリアからの使者となればなおさら。このとおりだ」

 頭を下げられてしまう。

「おやめください!」

「敬語もなしだ」

「……わかった、メーチェ」

 立ち上がり、膝の埃を払う。

「しかし、よくちょうど、こんな巨大な地下室が」

 実際広い。そこで、何百人もの人々が自由に移動している。

「マジックアイテムだよ。声も上に響かない。父上が、最期に持たせてくれた。まさか、レジスタンスの拠点になってくれるとは」

 涙を堪えるように、天井を見上げる彼女。

「その、不躾だが、表の顔・・・はもう少しなんとかならなかったのか?」

「奴隷商のことか。人がいきなりいなくなっても怪しまれないのでな。必要悪というやつと思ってほしい」

 真剣な眼差しで見つめられる。吸い込まれそうな青い瞳だ。
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  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第九十四話 魔導剣士ロイ、特訓を施す

    「レジスタンスの頭目をやっている。ガイウス王国第一王女、メルセデスだ。世話になる」 王女様! 慌てて跪く我々。「いや、気軽に接してくれ。今は亡国の王女。ガイウスを取り戻すまでは、ただのメルセデスだ。メーチェとでも呼んでくれ」「しかしそんな、畏れ多い……」「国を取り戻すまでは、ただの同志でありたいのだ。タリアからの使者となればなおさら。このとおりだ」 頭を下げられてしまう。「おやめください!」「敬語もなしだ」「……わかった、メーチェ」 立ち上がり、膝の埃を払う。「しかし、よくちょうど、こんな巨大な地下室が」 実際広い。そこで、何百人もの人々が自由に移動している。「マジックアイテムだよ。声も上に響かない。父上が、最期に持たせてくれた。まさか、レジスタンスの拠点になってくれるとは」 涙を堪えるように、天井を見上げる彼女。「その、不躾だが、表の顔はもう少しなんとかならなかったのか?」「奴隷商のことか。人がいきなりいなくなっても怪しまれないのでな。必要悪というやつと思ってほしい」 真剣な眼差しで見つめられる。吸い込まれそうな青い瞳だ。「話を変えよう。猊下より、贈り物だ」 ベルトポーチから、次々に武具を取り出す。我ながら、「地下室」に負けず劣らず、便利なアイテムだ。「おお……これはありがたい……!」 瞳を輝かせる、レジスタンス一同。「あとは、あまり多くはないが、堅パンに干し肉」「ありがたい。国を取り戻した暁には、猊下に厚く御礼申し上げねば」「武具は、扱いやすさからメイスと盾がメインだ。いくらこの地下室が広くても、長槍などはきつかろうという猊下のご判断だ」「ありがたい。さっそく、訓練といこう!」 「おー!」と声を上げるレジスタンス。「指導も我々の任務のうちに入っている。では、さっそく!」 クコは手製のハーブティーを飲みながら見学。棒切れと先ほど渡した盾で、模擬戦をする。「甘い!」「ぐおっ!」 レジスタンスの一人と訓練を行うが、動きが素人だ。 これを、一人前にしなきゃいけないのか。骨が折れるな……。  ◆ ◆ ◆  しばし小休止。メーチェが竪琴を弾く。いい音色だ。「本当に、心身ともにリラックスできるな。もしかして、『呪奏』では?」「ご明察。幼少より習わされていたが、今は皆の助けとなっ

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  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第九十一話 魔導剣士ロイ、暗夜王と相対する ―後編―

     さあ、どうする!? まずは、皆の無事を確認だ!「みんな、無事か!」「おう!」「はい!」 五人から声が返ってくる。オーケー。「明光魔灯」 魔導書とバインダーを見ずに探り当てるのはいつもやっていることなので苦もなくできたが、魔導書のめくれる音はすれど、魔法の明かりがつかない。 まずいな。こいつの作り出す闇が、絶対的ということか。 魔導書を落としたら、とてもまずいことになる。慎重に扱わねば。 そんなことをしている間にも、羽根がダーツのように飛んでくる!「とりあえず、地面に引きずり落とさせてもらう! 強重結縛糸!」「ホー!?」 バサバサと羽ばたき、抗うストラス。どちらが勝つか! 地面に引きずり落とせないと、ただでさえ厳しい局面が、さらに厳しくなる!「ホー!!」 よし! 勝ったッ!「やってくれたホーね……。お返しホー!」 翼を広げるストラス。羽根ダーツが、さらに数を増して飛来する。 今、人垣が仇になっている。範囲攻撃とすこぶる相性が悪い。「ロイさん。わたしなら、戦場が見えてますよ?」 そう言うのはクコ。「なんだって! それは本当か!?」「エルフは、暗闇でもものが見えるんです」 先に言ってくれよ。「ナビゲートしてくれ。動きが取れん」「はい!」 クコの指示で、ゆっくりストラスに接近を試みる。「ホー!」「きゃっ!」 パティの悲鳴!「大丈夫か!?」「はい! 鎧で防げました!」 不幸中の幸い、魔法ではないのか。「悪いが、文字通り矢面に立ってくれ!」「はい!」 クコの誘導で、じりじり距離を詰めていく。 接敵! 賦術火炎刃の熱は、剣から感じる。いけぇ!「オラァ!」「ホー!!」 手応えあり!「やってくれたホーね……」 スゥ……っと消えるストラス。おい! 消えんな!「ロイさん、右!」「ここかぁッ!」「ホー!」 またも手応えあり! 持つべきは、エルフの仲間だな!「ホー……」 またも消えるストラス。「そこぉッ!」「ホーッ!?」 打撃音! ナンシアの声だ!「お姉ちゃんだって、鼻でわかっちゃうんだからね!」 人狼の仲間も、持つべきだな!「許さないホー……。許さないホーッ!!」 絶叫!

  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第九十話 魔導剣士ロイ、暗夜王と相対する ―前編―

     あれから、約一ヶ月。「スティング・ホーネットだな! 逮捕状がでている!」 宿で朝食をいただいていると、突如官憲の旦那方が怒鳴り込んできた。 まったく身に覚えのない話だ。いや、待てよ?「こちとら、身に覚えのない話だな! あんたらの根城で、白黒ハッキリさせてやろう!」 パーティーメンバーに目配せ。……うん、察してくれたようでなにより。  ◆ ◆ ◆ 「手荒な真似をして済まなかった」 開口一番、本署で一階級上と思われる人が謝罪。「サンが、尻尾を掴んだんですね?」「うむ。今夜、六つの鐘で突入。君たちにも、手伝ってもらいたい」「そりゃ、願ってもないことで」 愛しのマイシスターと、やっと合流できる。こんな嬉しいことはない。「ほかの取り決めは?」「ない!」「なら、搦手攻めさせてくださいよ。俺ら、そういうの得意なんで」「むう? 構わないが」 こうして話はトントン拍子に進み、詰め所で夜まで待機することになった。 昼飯のスパゲッティー、まあまあだったな。宿の食いたかったなあ。まあ、ただ飯に贅沢言えんか。 そして、六つの鐘。 夜の帷が降りようとする中、出撃準備を進める。「おい、スティング・ホーネット! どこへ行く!?」「搦手から攻めるって言いましたよね! あとで合流します!」 言うが早いか、さっさと下水道の入口に立つ。 紙を一枚落とすと、賦術火炎刃をかける。紙にかけちゃいけないという決まりはない。 すると、地下道がメラメラと燃え始めた。 下水道には、可燃性のガスが溜まっている。それを利用させてもらった。 幹部は、下水道から逃げるはずだ。それを防がせてもらう。「官憲と合流するぞ!」 踵を返し、突入地点へ!  ◆ ◆ ◆  大捕物が始まっていた。盗賊団は軽装の者が多いが、重装の者もいる。「賦術火炎刃!」 今度は正真正銘、武器にかける。「超力賦活草!」 二大強化魔法がかかった! パワーみなぎる!「サン! どこだサン!」 群衆の中に突入し、最愛の義妹の名を呼ぶ。ロイドさん、あなたの気持ち、ちょっとわかるよ。心眼は持てないけどね! 敵を斬り伏せながら、パティを先頭に突き進んで行く。パティは小剣だ。この大乱戦では、長槍は役に立たない。

  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第八十九話 盗賊少女サン、孤独な闘いをする

     視点は、ロイからサンへ移る。 陰気なスラムを、用心深く歩く。 死体の髪の毛を抜いてカツラにしようとしてる痩せこけたババアなど視界に映り、気が滅入る。兄貴に出会わなかったら、オレもずっとこの世界の住人だったものな。 目当ての建物に着くと、階段を降りる。いかにも、盗賊たちの住処という感じだ。 こんこん、ここここんと、独特のリズムでノック。「何の用だ」 男の声が返ってくる。「最近景気悪くてよ。景気いい話はないかい?」「よそをあたりな」「じゃあ、三日後にまた来る」 そう合言葉を言うと、ドアが静かに開いた。「なんだ、ちっこいの」「ちょいと仕事したいんで、お見知りおきをってね」 番人に、そう返す。「金は?」 奥まった座にかけている人相の悪い男が言う。「これでいいすか?」 小袋を取り出すと、じゃらりと音がなる。「数えろ」「へい。ひい、ふう、みい……きっちり、金貨十枚」「まァまァだな。よし、こっちに来い」 まずは、第一関門クリア。ここから、ヤクの売人に、ありつけるかどうか……。  ◆ ◆ ◆  まず、スリの下っ端として活動することになった。 アテが外れたが、ここからだ。 裕福そうな奴がいたら、ちょいと頂戴する。兄貴と出会うまで、毎日やってたこと。 心が痛むかっていったら、今じゃ痛むけど、ギルドの信頼を得ないといけない。 今は、耐え忍ぶとき……。  ◆ ◆ ◆  ある日、吉報が舞い込んだ。ヤクの売人が大量検挙されたらしい。 しかし、ギルドとしてもヤクはデカいシノギ。はいそうですか、とやめるわけがない。 ギルドにとっては幸運、官憲にとっては不運なことに、幹部までは捜査の手が及ばなかったので、ヤクの売買は継続。穴埋め人員に、ギルドにとってはどうなってもいい、オレら下っ端が配属された。「クスリを……クスリをくれ! 銀貨十……いや、十二枚出す! 駄目なら十三枚だ!」 暗がりに立っていると、男がヨロヨロ近づいてきた。これは……! 内通者と取り決めていた符丁。十、十二、十三。「オレが売人に見えるのか? 男娼のほうが、まだ見えるだろ?」 こちらも符丁で返す。「あんた、クスリの匂いがするんだなあ……。なあ、頼むよ」 これも符丁。官憲の旦那、あんたいい役者になれるぜ。「……金貨で一枚だ」「金貨一枚! 無理だ!」「じゃあ

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